このせかいに在るがまま




教室内がザワついている。



「まって、嘘でしょ」
「付き合ってるって冗談かと思ってたんだけど」
「星原くんは誰のものにもならないと思ってたのに」
「あたし本気で好きだったんだけど…、」
「どっちみち山岸が最低ってことじゃないの?」



色んな声が飛び交って、クラス中の視線がわたしに集まる。今までで一番、人に見られることが怖いと思った。



「あっはは、セーシュンだね?いいね?いいね?これまでずーっと芽吹のこと無視してきたのに、実はずっと好きだったんだ?好きな子ひとり、助けられないって凄いだっさくて面白いね?なぁ星原、山岸が居なくなって嬉しいよなぁ?」




やめて、と 心が叫んでいた。

星原くんの株を下げないで。

わたしのせいで、星原くんが築いてきた立ち位置を壊したくなかった。




星原くんはわたしのことなんて好きじゃない。友達でも恋人でもない、わたしたちは唯一無二の関係なのに。

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