このせかいに在るがまま
滝口くんは間違っている。星原くんがわたしを助けなかったのにはちゃんと理由があって、わたしの為を思ってしてくれたことだった。
わたしへの被害が大きくならないように。わたしが、山岸さん以外から嫉妬や羨望の標的にされないように。
「あんたは何も分かってない…、」
「お?ほらぁ、星原が大好きなトワコちゃんがなんか言ってるよー?」
「いいよ、芽吹さん」
「けど、星原くん、」
「いいねぇいいねぇ、愛だね、セーシュンだね」
星原くんはダサくなんかない。優しくて温かい人なんだって、みんな知らないから。
皆何も言わない。山岸さんがいた時にみたいに怯えるわけでもなく、滝口くんの言葉にゲラゲラ笑い、星原くんに冷たい目を向け、勝手に失望している。
このクラスは最初からこういう作りだったのだろうか。何もわからくなっている。
世界が、では無く、このクラスが 燃えてしまえばいいのに。