このせかいに在るがまま
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放課後になった。
人の気持ちは次々に移ろうもので、今朝 軽快に挨拶をしてきたクラスメイトたちは、わたしと目を合わせることもなく教室を去っていく。
彼等に自分の意思というものはないのか、とため息が出た。
人と合わせることで自分の立ち位置を確立している。そうやって生きていくことが彼等にとっての正解ならば、別にわたしには関係のないことである。
教室を出ていくクラスメイトの姿を見送って、教室から人気がなくなるのを待つ。
滝口くんはお昼休みが終わってから姿を見せていないので、帰ったか、もしくは保健室かどこかでサボっているのかもしれない。滝口くんと山岸さんがいない教室には驚くほど覇気がなかった。
星原くんとわたしに話しかけてくる人は当然のことながらひとりもおらず、変に冷やかされたりからかわれたりしなくてよかったな、と小さく安堵のため息をついた。