このせかいに在るがまま
「やっと放課後なった。ホント今日長かったよね」
星原くんが はは、と笑う。わたしが知っている柔らかい笑みに安堵し、「そうだね、」と頷いた。
今日は本当に長かった。
まるで異空間に来たみたいに、時計を見ても針が進んでいないのだ。これまで50分の授業をどうやって乗り切っていたか忘れてしまった。
あまりにも時間の経過が遅いものだから居眠りでもしてみようかと思い、窓の景色を眺めながら頬杖を付いたものの、机の上で寝るという習性が無いものだからなかなか眠ることができず断念した。
「ごめんね、おれのせいでこんなに大きくしちゃって」
「星原くんのせいじゃないよ。わたしだって、まさか滝口くんがあそこまで話すとは思わなかった」
「まあ、それは確かにおれも予想外だった」