このせかいに在るがまま
「おれらが知らないだけで、山岸にも滝口にも本当はいろんな事情があったんだよなぁ…」
「……、わたしと星原くんにも、事情があったよ」
「この世の悪を全部 死ね、消えろ、って思うことは間違いなのかな」
「……さぁ、わかんないや」
「おれもわかんないけど、答えが分かったとしてもやっぱ、アイツらのことは嫌いだな」
「うん、……わたしも」
友達じゃなくていい。恋人じゃなくていい。
星原くんの傍に居られるなら、わたしはもう誰の不幸も望まない。たとえ理不尽で大嫌いなせかいでも、全部受け止めてちゃんと生きるよ。
星原くんと一緒なら、わたしはきっとなんでも出来る。
「はは。やっぱ同じなんだね、おれら」
ねえ、星原くん。
────わたしたち、本当に同じだった?