このせかいに在るがまま
夢はいくらあってもいい。夢があるだけで、それは生きる理由にもなるのだ。
死んでしまったら全部終わりだと思ったら、それが少し悲しかった。誰かとの別れがわたしは怖かったのだと思う。
「いじめられなくなってからも変わらず人に興味無いし友達はいないけど、前より幾分か人生はラクになった。叔母さんとも、距離感はあるけど 居心地悪いって前ほど思わなくなった。星原くんのおかげなの。星原くんと話して、こんなわたしのままでもいいって思えたんだよ」
「……、おれは、」
「ねえ、星原くん、」
学食のカレーが美味しいからとか、
星原くんと見た空に抱いた感動を忘れられないからまたあの感動を共有したいと思っているとか、
〈やりたいことリスト〉をまだ全部達成していないからとか、
────明日の星が見たいから、とか。
そんなものでいい。生きていることに意味がなくたって、死なないことに意味はある。
世界への不満も、得体の知れない不安も、死にたくなるような空も、生きているからこそ感じるものでしょう。