このせかいに在るがまま
星原くんは言っていた。
ーーー勝手に自分を友達だと思い込んでるやつらはさ、何を基準に自分のことを友達だって思うんだろうね。境界線があいまいな物事は嫌いなんだ。ひとりひとりに『俺っておまえの友達?』って聞かれた方がわかりやすくていいのにね。そうしたら、『友達じゃないよ』って言えるし、お互いにその事実を共有できる
曖昧な出来事はきらい。
思い込んでる奴らは馬鹿。
言わないだけで、星原くんはきっとだれのことも友達だなんて思っていない。
わたしはほかとは違う、わたしだけは 星原くんに認めてもらえている。
勘違いだと笑われる前に、思い込みだよと線を引かれる前に、ちゃんとこれだけは確認して起きたかった。
一緒に星を見た。昔話をした。
学校をサボって同じ時間を共有したわたしと星原くんの関係は、一体なんだろう。
どくん、どくん……とやけに心臓の音が響く。緊張する。自分の発言ごと取り消してしまいたい。
何か言って、はやく、言葉を。