このせかいに在るがまま
参. さまようふたり
――わたしと星原くんはともだちではない
それが事実として突きつけられた金曜日からあっというまに時は過ぎ、また新しい金曜日を迎えようとしていた、木曜日の放課後のこと。
「めーぶーきーさんっ」
身支度を整えて帰ろうとしていたわたしの机に、バンッとスクールバックがのせられた。机が揺れるも、心臓は動じていなかった。
またか、と 心の中でため息をつく。
「芽吹さー、今日暇っしょ?暇だよね、暇そうな顔してるもんねぇ。うちらと遊びに行かない?」
「…え、いや、今日はバイトが」
「えー?聞こえないなあ」
山岸さんとその取り巻きたちがわたしの机を囲む。彼女たちが放課後に絡んでくるのは珍しかった。
というのも、山岸さんたちは放課後は各々彼氏との予定やバイトの予定を入れているので、わたしに構っている暇はないみたいなのだ。
なにかいやがらせをされるのは朝と昼、時々授業中。その程度だったはずなのだ。