御曹司は懐妊秘書に独占欲を注ぎ込む
Mistake6 後悔するなら素直になりましょう
 明臣さんと小旅行した週の木曜日、私は珍しく体調を崩した。頭が痛くて倦怠感が抜けず、昼間から横になる。

 昨日尊さんに明日の朝までに仕上げてほしい仕事があると振られ、私はいつもの調子でふたつ返事で引き受けた。

 ところが、昨日の芽衣の機嫌は最悪でなかなかまとまってお昼寝もしてくれず、常に抱っこを求めめられるのは想定外だった。

 なんとか夜には眠ってくれたので、その隙を縫って仕上げたものの自分としては納得のできないクオリティになってしまった。

 けれど頭が重くて、〆切も近づいている。優先順位は後者だ。朝一で尊さんに確認してもらい彼には十分だと言ってもらえたが、モヤモヤした気持ちは消えない。

 そんな中、今日は芽衣を一時保育に預ける日になっていたので、支度を急ぐ。すると仕事を終えて気が抜けたからか、急に頭痛がして、立ちくらみがした。

 疲れがたまると、たまにこんな症状になったりしたが、久々だった。

 妊娠前は薬をすぐに飲んでなんとかしていたが、今は授乳中でできれば薬は頼りたくない。とにかく芽衣を保育園に送っていかないと。

 眉をひそめた状態で芽衣を園まで送り届け、担当の先生に体調が悪そうだと心配されつつ、のろのろと帰って来た。

 芽衣がいない間、とにかく寝よう。きっと睡眠不足だ。

 そう思ったのに頭痛が押し勝ってなかなか眠れそうもない。パジャマに着替えて布団に横になる自分がなんとも情けなくなってきた。
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