御曹司は懐妊秘書に独占欲を注ぎ込む
Mistake2 勢いでお酒を飲んではいけません
まさか社長を家にあげる日が来るとは思わなかった。芽衣のおもちゃが多少散らかってはいるものの見られてまずい状況ではない……はず。
それを言うなら今の自分の格好もスーツではなくアイボリーのチュニックに濃紺のフレアスカートとややカジュアルだ。
社長がスーツを着こなしているのでその対比で急に恥ずかしくなるが、どうしようもない。社長は遠慮もせず部屋のあちこちに視線を飛ばしている。
「あの、コーヒーでかまいませんか?」
「ああ」
ひとまずなにか飲み物でも出そう。準備しようとキッチンの引き出しを開け、あることに気づく。
「すみません。ノンカフェインしかないのですが……」
妊娠中はもちろん授乳もあってもっぱらノンカフェインの飲み物しか口にしなくなった。紅茶もしかりだ。
「かまわない」
社長は短く答えたので、私はお湯を沸かして支度する。そうしていると芽衣がハイハイでそばまで寄って来たのでベビーゲートの向こう側に連れて行く。
すぐにお気に入りのおもちゃで遊びだしたので急いでキッチンに戻った。
社長の秘書をしているときもこうやってよくコーヒーを淹れた。彼はいつもブラックで濃いものが好みだった。それを知っているので、気持ち濃くなるように淹れる。
社長にはリビングのテーブルにひとまず着席してもらったが、沈黙が耐えきれず私から切り出した。極力重い雰囲気にならないように。
「妊娠と出産を黙っていてすみませんでした。それで、あの勝手なんですが……もしよろしければ芽衣のために認知はしていただけないでしょうか?」
それを言うなら今の自分の格好もスーツではなくアイボリーのチュニックに濃紺のフレアスカートとややカジュアルだ。
社長がスーツを着こなしているのでその対比で急に恥ずかしくなるが、どうしようもない。社長は遠慮もせず部屋のあちこちに視線を飛ばしている。
「あの、コーヒーでかまいませんか?」
「ああ」
ひとまずなにか飲み物でも出そう。準備しようとキッチンの引き出しを開け、あることに気づく。
「すみません。ノンカフェインしかないのですが……」
妊娠中はもちろん授乳もあってもっぱらノンカフェインの飲み物しか口にしなくなった。紅茶もしかりだ。
「かまわない」
社長は短く答えたので、私はお湯を沸かして支度する。そうしていると芽衣がハイハイでそばまで寄って来たのでベビーゲートの向こう側に連れて行く。
すぐにお気に入りのおもちゃで遊びだしたので急いでキッチンに戻った。
社長の秘書をしているときもこうやってよくコーヒーを淹れた。彼はいつもブラックで濃いものが好みだった。それを知っているので、気持ち濃くなるように淹れる。
社長にはリビングのテーブルにひとまず着席してもらったが、沈黙が耐えきれず私から切り出した。極力重い雰囲気にならないように。
「妊娠と出産を黙っていてすみませんでした。それで、あの勝手なんですが……もしよろしければ芽衣のために認知はしていただけないでしょうか?」