御曹司は懐妊秘書に独占欲を注ぎ込む
茜との繋がりや妊娠が発覚し、出産してから今まで岡崎家にお世話になっていること、今は茜の兄である尊さんの秘書をして芽衣を家で見ながら働いている現状などを手短に伝えた。
「川上が結婚の申し出を断ったのは岡崎が」
「誤解しないでください。尊さんとはそんな関係じゃありません!」
社長が言わんとする内容を理解し、私はすぐさま否定する。眠たさか疲れか、体を預けてくる芽衣を抱き直し社長をしっかりと見つめた。
「……この先、どんなことがあっても芽衣の父親はあなただけです」
意表を突かれた顔をする社長に、我に返る。事実なだけで深い意味はない。だから父親としての権利を奪うつもりもない。芽衣のためにも……。
「なら結婚の申し出を受け入れるべきじゃないか?」
再度持ち出され、私は唇を噛みしめた。返事云々の前に先にどうしても聞いておかないとならないことがある。
「……日比野さんとは?」
自分で口にして緊張が走る。案の定、社長の眉がぴくりとつり上がった。
「彼女との関係はとっくに解消した……そう言っただろ」
たしかに聞いていた。だからあんな事態になったんだけれど。
なにも答えない私に社長は髪を掻き上げ一拍間を空けてからがさらに追及する。
「だから子どものことを言い出せなかったのか?」
厳しさはもうなかった。まるで子どもに悪戯の理由を問いただすような口調だ。
「それも、あります。ですが、どっちみち手放しで喜んでもらえないのがわかっていたから……」
「川上が結婚の申し出を断ったのは岡崎が」
「誤解しないでください。尊さんとはそんな関係じゃありません!」
社長が言わんとする内容を理解し、私はすぐさま否定する。眠たさか疲れか、体を預けてくる芽衣を抱き直し社長をしっかりと見つめた。
「……この先、どんなことがあっても芽衣の父親はあなただけです」
意表を突かれた顔をする社長に、我に返る。事実なだけで深い意味はない。だから父親としての権利を奪うつもりもない。芽衣のためにも……。
「なら結婚の申し出を受け入れるべきじゃないか?」
再度持ち出され、私は唇を噛みしめた。返事云々の前に先にどうしても聞いておかないとならないことがある。
「……日比野さんとは?」
自分で口にして緊張が走る。案の定、社長の眉がぴくりとつり上がった。
「彼女との関係はとっくに解消した……そう言っただろ」
たしかに聞いていた。だからあんな事態になったんだけれど。
なにも答えない私に社長は髪を掻き上げ一拍間を空けてからがさらに追及する。
「だから子どものことを言い出せなかったのか?」
厳しさはもうなかった。まるで子どもに悪戯の理由を問いただすような口調だ。
「それも、あります。ですが、どっちみち手放しで喜んでもらえないのがわかっていたから……」