再出発
鏡の中の自分を見て、思わず笑みがこぼれる。
何度も夢見たこの制服。
とてつもない喜びと同時に、お母さんにも見せたかったなと悲しみが込み上げてくる。
「おっ、似合ってるじゃないか」
ネクタイを締めながらお父さんがやって来た。
「うん。ありがと」
「あと10分で出るからな」
「はーい」
3日前にボブにした髪を櫛で丁寧にとき、新しい伊達メガネをかける。
これで準備は完了。
私の高校生活の始まりだ。