みやとロウ。
*2*
――…




施設に引き取られる前は
田舎でおばあちゃんとふたりで暮らしてた


その頃から人の感情に影響を受ける体質だった私


だけど今と違って

住んでいた場所は静かで閉鎖的な環境だったから


我慢できない程
体調が悪くなったり
貰った感情に振り回されることもなかった


なんとなく
悲しいな、苦しいな、いらいらするな

そんな程度だった



私がおばあちゃんと暮らしていた家は
集落から離れていたし

通っていた学校は私を含めて全校生徒7人


月に数回
バスで片道2時間の街まで買い出しに行く事はあったけど

それ以外は家と学校の往復の毎日


あまり人と関わる事もなかった


学校に通いながら、畑の世話をして
家でおばあちゃんとテレビを見たり
他愛ない話をしながらのんびりと生活していた


だけど、おばあちゃんが病気で亡くなって


引き取り手のいなかった私は
都会の児童養護施設に引き取られて



たくさんの人

たくさんの建物

騒がしい環境



今までとはまるきり違う状況下に置かれて



そこから、おかしくなった
< 11 / 162 >

この作品をシェア

pagetop