みやとロウ。
詩織に引き取られる前

おばあちゃんと過ごした時の事は覚えてる

曖昧になっているのは施設にいた時の記憶



だから、翌日、施設を訪れた



出来ることなら
もう2度と足を踏み入れたくない場所

それでも
何か手がかりを掴めるならと
覚悟を決めてやって来た


施設を出て4年

人の入れ替りの激しい場所だったから
知っている職員はもうひとりもいなかった

当時の自分を知る大人はおらず
話を聞くことはできなかったけど

施設内を見てまわることはできた

だけど、やっぱり
思い出すのは苦い思い出ばかりで


知りたい記憶に関しての収穫はなかった




だけど、帰り際
ひとりの職員から渡された手紙が
とあるきっかけをくれた
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