みやとロウ。
帰り際に渡されたのは、一通の手紙
『この間、前任の方の机を片付けていたら出てきたものです』
『あなた宛のものじゃないかと』
随分長い間、放置されていたのか
受け取った手紙は、少し色変わりしていた
『みやへ』
封筒に記されていた
その少し下手な字を見て、すぐに差出人が誰か分かった
「俺、他にも手紙出してたんだけど
これしか渡されなかったのか?」
私を家の中に招き入れてくれた勇太郎は
私が取り出した手紙を手に取ると
訝るように眉根を寄せた
「うん。これしかなかったみたいだよ」
「あいつら、捨てやがったか」
「そうかもしれない
私が引き取られた後に届いたものなら
施設を出た私の所に、わざわざ届けに来たりはしないだろうし」
「はあ……
けど……無事だったなら、いい」
「勇太郎…」
大分、落ち着いた様子の勇太郎
脱力したように深くため息をついてから
改めて、私の顔をまじまじと見て
安心したように笑う
「元気にしてたか?」
「うん」
「嫌な奴に、引き取られなかったか?」
「すごく良い人」
「ならいい」
「勇太郎も、元気そうで良かった」
「おう、いい暮らししてるぞ」
「見たら分かる」
『この間、前任の方の机を片付けていたら出てきたものです』
『あなた宛のものじゃないかと』
随分長い間、放置されていたのか
受け取った手紙は、少し色変わりしていた
『みやへ』
封筒に記されていた
その少し下手な字を見て、すぐに差出人が誰か分かった
「俺、他にも手紙出してたんだけど
これしか渡されなかったのか?」
私を家の中に招き入れてくれた勇太郎は
私が取り出した手紙を手に取ると
訝るように眉根を寄せた
「うん。これしかなかったみたいだよ」
「あいつら、捨てやがったか」
「そうかもしれない
私が引き取られた後に届いたものなら
施設を出た私の所に、わざわざ届けに来たりはしないだろうし」
「はあ……
けど……無事だったなら、いい」
「勇太郎…」
大分、落ち着いた様子の勇太郎
脱力したように深くため息をついてから
改めて、私の顔をまじまじと見て
安心したように笑う
「元気にしてたか?」
「うん」
「嫌な奴に、引き取られなかったか?」
「すごく良い人」
「ならいい」
「勇太郎も、元気そうで良かった」
「おう、いい暮らししてるぞ」
「見たら分かる」