みやとロウ。
薄暗い周りの景色も
どこか重く冷たい空気も
全然気にならなかった



「……疲れた…」



その場にぺたんと座り込む


ひとりになれたことにほっとしつつ
いまだに悲鳴をあげる体と心


痛い


苦しい


こんな状態が一体いつまで続くんだろう

一体いつまで我慢しなきゃいけないんだろう


一体いつまで…



聞きたくもない声を聞いて

見たくないものを見て


欲しくない感情(もの)を貰わなきゃいけないんだろう



「…みやは…ごみ箱じゃないよ…」



みんなのいらない感情を捨てる場所じゃないのに



「…みやに…押し付けないで…」



そんなの欲しくない



「……みやだって…みんなと同じなのに…」



苦しいのも悲しいのも辛いのも

知ってる

持ってる


自分自身の感情(もの)を


でも、それは
自分のものだから

自分で持つべきものだから

誰かに押し付けちゃいけないものだから


ちゃんと抱えて、生きてるのに



「……みんな…ずるい…」



知らず知らず、無意識に
罪悪感もなく周りの人は自分にそれを押し付けてくる



「……もう……やだ…」



頭が痛い


ふらふらする



そのまま体が傾いて、力なく地面に倒れる
< 13 / 162 >

この作品をシェア

pagetop