みやとロウ。
「懐かれたらかわいいもんな
俺もさ……って、お、おい…
なに泣いてんだよ…っ?!」


ぽろぽろ涙を流す私を
ぎょっとした顔で見て、慌てふためく勇太郎

傍にいたはすが
慰めるように私の頬を舐める


「…」


そんなはすをぎゅっと抱き締める



ふわふわで柔らかくて

あったかくて、優しい




……そうだ



この感触、同じ




………同じだけど




違う




「……ごめん、勇太郎
『みや』行かなきゃ」


「は?行くってどこに…
おいっ、みや!!」



勇太郎の呼びかけは
もう耳に入ってこなかった


私はそのまま
勇太郎の家を飛び出して




あの場所へ向かった
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