みやとロウ。
結果的に
記憶を守るための結界を創ることは出来た


強固な結界


そのおかげで
記憶喰らいに記憶を奪われずに済んだ


だけど


本当はすぐに
閉じ込めて、封じた記憶を思い出すようにしたかった

でも、そのやり方が分からなくて


結界の解除が出来ないまま
数年が経ってしまった


解除が出来ない以上
記憶は封じられたまま


私はロウの事をずっと思い出せなかった



でも



ようやく



4年経って、ようやく
その結界が綻び始めた


忘れた記憶に自分が疑問と興味を向けた


『忘れないで』と
絶えず響いていた声が、私の背中を押した



勇太郎とはすが
記憶を引き出す刺激を与えてくれた



そのおかげで、私はロウの事を思い出せた
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