みやとロウ。
『みやだ』


『みや、おかえり』



肩に乗ってきた雪月花の鳥を愛でていると
不意に足元から声が聞こえて

視線を落とせば、そこには木霊達がいた


わらわらと集まってくる木霊達
しゃがみこんで「ただいま」と笑いかければ
文字通り、その体に喜色を浮かべた




『みや、記憶喰らい
もういない』



『みやのおかげ』



『塞ノ神様と狼炎様の長い苦しみ
ようやく、終わった』



『ありがとう』



『ありがとう』



心の底から向けられた感謝の言葉
目を丸くして、それから小さく微笑んだ
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