みやとロウ。
―――……



訪れたのは真っ青に染まる花畑

久方振りの来訪を、歓迎するように
フラワーシャワーが降り注ぐ


目的のひとの姿はすぐに見つかった


大きな大きな犬のような姿をした生き物は
何かを思案するように、遠くを見つめていた

憂いを帯びた横顔に
自重するべきだとは思いつつも
その衝動には抗えなかった


ロウに抱き付きたくて仕方ない私は
そのまま、勢い良く
そのもふもふボディーに飛び付いた



驚きもせず、私を見下ろすロウ



「……4年経ったと言うのに
変わらないな。お前は」

「背、伸びた」

「大して変わらん」

「伸びたもん!!」

「分かった分かった」



感慨深そうに、私を見つめていたロウは
顔を真っ赤にして反発する私が面白かったのか、失笑した
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