みやとロウ。
………笑った


4年ぶりに見たロウの笑顔

それが嬉しくて、機嫌もすぐ直る


無言でまた抱き付けば
ロウは拒まずに受け入れる




――……




「ロウ」


「なんだ」


「ロウ、ロウ」


「だから、なんだ」



呼びかければ、返ってくる声

感じる温もりは、幻じゃない


ちゃんと、ここにいる






「ロウ」


「……だから、一体な…」


「好き」




ロウの言葉を遮って
胸に溢れた気持ちを口にする

想いを込めた一言に
ロウは目を開いて固まった



「みや、強くなったよ
自分の事、ちゃんと自分で守れるくらいにはなった」



この4年


たくさん努力して

いっぱい勉強して

色んな経験をした


見て、聞いて、触れて


世界を広げた



たくさんの選択肢を見つけた


たくさん、生き方を見つけた





たくさん『知った』上で、私は決めた





ロウからしたら
まだ、危なっかしく見えるかも知れない

でも、もう

守られるばかりのお荷物じゃない



「ロウの傍にいるために必要なもの
揃えた」



自分を守る術(すべ)、力、知識

足りないなら
いくらだって、学んで、探す
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