みやとロウ。
「行きたい場所に行っていいんです」
……
少し沈黙が続いて
それからみやは、おもむろに口を開いた
「……4年前
詩織が斎の家に来ませんか、って言ってくれた時ね」
「嬉しいより、戸惑う気持ちが強かった」
「家族が欲しいって
一緒にいてくれる人が欲しいって
ずっと、思っていたのに」
「でも、すぐにその理由が分かった」
「私は、ロウが良かった
ロウに家族になって貰いたかった」
「誰でもいいわけじゃなかった
自分が望んだひとと家族になりたかった」
みやが吐露した真情に
俺は小さく笑って頷いた
4年前も、分かっていた
その言葉を向けて貰いたい相手が
俺ではないこと
一緒にいて貰いたい相手は別にいること
「神獣様は、あなたを受け入れたのでしょう?」
4年前も今も、あの方々は
この子をとても慈しみ、愛し、守っている
あの頃は、この子もまだ幼く
自分を守る術も、知識も、充分ではなかった
違う世界を知ってはいても
『生き方』に
他にいくらでも
選択肢があることを知らなかった
だから
あの方は、この子を突き放した
この子を大事に想っているからこそ
そうした
……
少し沈黙が続いて
それからみやは、おもむろに口を開いた
「……4年前
詩織が斎の家に来ませんか、って言ってくれた時ね」
「嬉しいより、戸惑う気持ちが強かった」
「家族が欲しいって
一緒にいてくれる人が欲しいって
ずっと、思っていたのに」
「でも、すぐにその理由が分かった」
「私は、ロウが良かった
ロウに家族になって貰いたかった」
「誰でもいいわけじゃなかった
自分が望んだひとと家族になりたかった」
みやが吐露した真情に
俺は小さく笑って頷いた
4年前も、分かっていた
その言葉を向けて貰いたい相手が
俺ではないこと
一緒にいて貰いたい相手は別にいること
「神獣様は、あなたを受け入れたのでしょう?」
4年前も今も、あの方々は
この子をとても慈しみ、愛し、守っている
あの頃は、この子もまだ幼く
自分を守る術も、知識も、充分ではなかった
違う世界を知ってはいても
『生き方』に
他にいくらでも
選択肢があることを知らなかった
だから
あの方は、この子を突き放した
この子を大事に想っているからこそ
そうした