みやとロウ。
「…なんでまた来た?」
「これ」
迷惑そうなオーラを出されても動じない
持っていた袋をぐいっと押し付ける
「……なんだ、これは」
「お礼」
「助けてくれてありがとう」
地面に散らばった袋の中身を見て
その生き物はなんとも言えない表情を見せた
ちなみに中身は
犬用ジャーキー
大型犬用ビックボーン
お徳用!特大ごほうびビスケット
「俺は犬じゃない」
「狼も犬科…」
「そういう話じゃない」
はぁ…っと呆れるようにため息をついて
その生き物は私に視線を向ける
「まったく…
いいか。ここは人が容易く入ってきていい場所じゃない」
「さっさと帰れ」
前回と同じ言葉
ぴしゃりとすげなくあしらわれる
「少しだけでもいちゃだめ?」
「だめだ」
「……『外』は、人がたくさんで疲れる…」
「…。祓ったばかりだと言うのに
また貰ったな」
うなだれる私に近付いて
額に軽くその鼻先が触れた
――瞬間
内側に張り付いていた重い感情(もの)
激しい倦怠感やのしかかっていた疲労が嘘のようになくなる
…この前もだ
この前も、触れられたら体が軽くなった
「……貰ったもの
また、取ってくれた?」
問いかけには答えはなく、代わりに
「この森の近くに道祖神を祀る神社がある」
「次からは『貰った』と感じた時はそこに行け。放置するよりはマシなはずだ」
そう言い残して去ろうとしたその生き物を私は慌てて引き留めた
「待って」
「尻尾を掴むな」
「これ」
迷惑そうなオーラを出されても動じない
持っていた袋をぐいっと押し付ける
「……なんだ、これは」
「お礼」
「助けてくれてありがとう」
地面に散らばった袋の中身を見て
その生き物はなんとも言えない表情を見せた
ちなみに中身は
犬用ジャーキー
大型犬用ビックボーン
お徳用!特大ごほうびビスケット
「俺は犬じゃない」
「狼も犬科…」
「そういう話じゃない」
はぁ…っと呆れるようにため息をついて
その生き物は私に視線を向ける
「まったく…
いいか。ここは人が容易く入ってきていい場所じゃない」
「さっさと帰れ」
前回と同じ言葉
ぴしゃりとすげなくあしらわれる
「少しだけでもいちゃだめ?」
「だめだ」
「……『外』は、人がたくさんで疲れる…」
「…。祓ったばかりだと言うのに
また貰ったな」
うなだれる私に近付いて
額に軽くその鼻先が触れた
――瞬間
内側に張り付いていた重い感情(もの)
激しい倦怠感やのしかかっていた疲労が嘘のようになくなる
…この前もだ
この前も、触れられたら体が軽くなった
「……貰ったもの
また、取ってくれた?」
問いかけには答えはなく、代わりに
「この森の近くに道祖神を祀る神社がある」
「次からは『貰った』と感じた時はそこに行け。放置するよりはマシなはずだ」
そう言い残して去ろうとしたその生き物を私は慌てて引き留めた
「待って」
「尻尾を掴むな」