みやとロウ。
通い続けたからと言って
ロウとの距離がそれ以上縮まることはなく

少し会って、一言二言話して
(ロウはほとんど「帰れ」「来るな」としか言わないけど)帰る
そんな日々が続いた


だけど、ある日



「何を泣いてる」


地面に座り込んで
膝を抱えていた私の前に、ふっと差し込んだ影

顔を上げれば、いつものように仏頂面のロウがいた


「…みやは、変な子なんだって」


目の縁に涙を溜めて
ぐずぐずと鼻をすすりながら答える


「事実だろ」

「うん。それは別にいい」



「…みやが、変な事ばっかりするから
だから周りは疲れちゃうんだって」



『あの子、また抜け出したの?』

『そうなのよ。まったく…
毎回毎回、どこに行くのか知らないけど
世話をしてるこっちの身になって欲しいわ』

『監督不行き届きだって
また私達が怒られるじゃない』



「みやがいると迷惑なんだって」



『お前だけ学校行かないなんてずるいぞ!勉強したくないだけだろ!』

『みやちゃんだけひとり部屋なんてずるい
みやちゃんばっかり特別扱いされて』

『どうしてみやちゃんは
みんなと同じように出来ないの?』



「みやはいない方がいいんだって」



『お前みたいなのがいると
規律が乱れるんだっ』

『お前みたいにまわりを困らせるやつは
いない方がいいんだ!』

『さっさと田舎に帰れよ!!』
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