みやとロウ。
*4*
塞ノ神さまから貰った組紐のおかげで
『貰って』しまうのは相変わらずだけど
自分を支配されるような感覚に陥(おちい)る事は随分減って
ここ最近は落ち着いていた
だけど
「…」
「やけに大人しいな
どうした」
無言で、ふらふらと
ロウの背中に倒れ込む
そのまま黙って
胎児のような体勢でじっとしていると
貰った影響でそうなってるわけじゃないと一目で見抜いたロウが
不思議そうに声を寄越した
「……勇太郎に
新しい『家族』が出来た」
「引き取り手が見つかったのか」
「うん」
「何か問題のある人間なのか?」
「ううん」
少し前から
勇太郎に会いに何度も施設に来ていた若い夫婦
私はそれを遠目に見ていただけだったけど
ふたりと話す勇太郎の表情を見れば
ふたりが悪い人じゃないのはすぐに分かる事だった
人一倍
他人に対して警戒心の強い勇太郎が
あんな風に笑うんだから
「なら何故そんな顔をする?」
「……寂しいなって」
『貰って』しまうのは相変わらずだけど
自分を支配されるような感覚に陥(おちい)る事は随分減って
ここ最近は落ち着いていた
だけど
「…」
「やけに大人しいな
どうした」
無言で、ふらふらと
ロウの背中に倒れ込む
そのまま黙って
胎児のような体勢でじっとしていると
貰った影響でそうなってるわけじゃないと一目で見抜いたロウが
不思議そうに声を寄越した
「……勇太郎に
新しい『家族』が出来た」
「引き取り手が見つかったのか」
「うん」
「何か問題のある人間なのか?」
「ううん」
少し前から
勇太郎に会いに何度も施設に来ていた若い夫婦
私はそれを遠目に見ていただけだったけど
ふたりと話す勇太郎の表情を見れば
ふたりが悪い人じゃないのはすぐに分かる事だった
人一倍
他人に対して警戒心の強い勇太郎が
あんな風に笑うんだから
「なら何故そんな顔をする?」
「……寂しいなって」