みやとロウ。
森にいる時は良い


塞ノ神さまやロウがいるから



でも



「…」



真っ白い部屋でひとりぽつんと佇む


……施設に戻れば、ひとりきり


施設で私は病弱と言う名目で隔離されてる


食事やお風呂、掃除に勉強
レクリエーション

本来なら共同でするそれらも
この体質のせいで出来ない私


トイレバス付きのひとり部屋
食事も勉強も
いつもここでひとりで済ませる

決まった時間に
施設のお姉さんが様子を見に来るけど

度々、脱走を繰り返したり
倒れて病院送りになる問題児の私は

当たり前だけど
あんまり快く思われてなくて

その扱いは冷たいもの



部屋にいると息が詰まるから
時折、外に出る


けど、そうすると
他のみんなに見つかった時に
色々言われてしまうから


最近は
長時間の自由時間以外はほとんど
部屋に籠ってる



……庇ってくれてた勇太郎も、もういない



数日前に勇太郎は施設を後にした


優しそうなふたりに手を引かれて



最後まで勇太郎は私の心配をしてくれてた



『何かあったら、手紙寄越せよ』



そんな風に言ってくれた
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