みやとロウ。
「…」


ふっと目が覚めて、起き上がる

隣で眠っていた塞ノ神さまがいないことに気付く


「……塞ノ神さま?」




……いない



庵のどこにも塞ノ神さまの姿が見当たらなくて、外に出る

庭先にもいない


「………ロウもいない…」


眠る直前まで
庵の外にいたはずのロウもいない



「…」


ざぁーっと夜風が足元を吹き抜けていく

静かな夜の森にひとりぽつんと取り残されたような気分になって

ざわざわと不安が胸に広がって


居ても立ってもいられなくて


気付けば走り出していた






…いない



いない、いない



……どこにも、いない


走り回って
色んな場所を探したけど、見つからない



「……塞ノ神さま…ロウ…
……どこ…?」



……もしかして、森の『外』…?



『中』にはいなかった

だったら

後は森の『外』にいるとしか考えられない



「…『外』に……探しに行ってみよう」
< 42 / 162 >

この作品をシェア

pagetop