みやとロウ。
塞ノ神さまの結界内

『中』から『外』に出た途端

雰囲気はがらりと変わる



……真っ暗……



足元さえおぼつかなくなる程
視野が悪くなる

さっきまで
きらきら瞬いていたたくさんの星も

分厚い雲に覆われて
ほとんど見えなくなってしまっていた


ただでさえ、ふたりがいなくて不安なのに
その不安を増長させるように

途切れる明かり

生ぬるい風が背後から吹き付けて
不気味な音を立てながら、周辺の草木が揺れる



……怖い…



自分の身を守るように抱き締めながら
そろそろと歩き出す


ロウに口うるさく注意されていたこともあって
森の『奥』まで行くつもりはなかったけど

どうやら
出た先が『奥』に近い場所だったようで


図らずとも
そこに来てしまう形になってしまった
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