みやとロウ。
*5*
「やっぱり
『奥』にいた曲霊の数が減ってる」
約束通り
日が昇る頃に塞ノ神さまは庵に戻ってきて
それから『奥』の様子を話してくれた
「『魂喰らい』か」
「…たましいぐらい?」
「そのままの意味だよ
魂を喰らうもの」
「…曲霊。食べられちゃったの?」
「おそらくね」
「魂喰らいに捕まって食べられたら
もう救えない」
「『光の先』に送ることも
『もう一度』を与えることも出来ない」
塞ノ神さまの表情が悲しそうに動く
「塞ノ神さ-…」
呼び掛けようとしたその時
塞ノ神さまとロウが
ぴくりと、同時に何かに反応した
「…何か、入ってきたな」
「うん。なんだろう
悪いものではないけど、なんか変な気配」
「真っ直ぐこっちに向かって来てるね」
庵の外に出て
竹林の方をじっと見据える塞ノ神さま
一緒についてきたロウと私も
そちらに視線を向ける
「…」
さくさくさく、と
微かに聞こえた笹の葉を踏みつける足音
それが段々と近付いてくる
迷うことなく真っ直ぐと
こちらにやってくる人影が確認できた
獣の姿に戻ったロウが
庇うように私と塞ノ神さまの前に立つ
「はじめまして」
落ち着いた静かな声
「あなたが…
この地の守り神、道祖神様ですか?」
警戒するロウに向かって頭を下げて
それからロウの後ろの塞ノ神さまに語りかける
20代くらいの和服姿の若い男の人
『奥』にいた曲霊の数が減ってる」
約束通り
日が昇る頃に塞ノ神さまは庵に戻ってきて
それから『奥』の様子を話してくれた
「『魂喰らい』か」
「…たましいぐらい?」
「そのままの意味だよ
魂を喰らうもの」
「…曲霊。食べられちゃったの?」
「おそらくね」
「魂喰らいに捕まって食べられたら
もう救えない」
「『光の先』に送ることも
『もう一度』を与えることも出来ない」
塞ノ神さまの表情が悲しそうに動く
「塞ノ神さ-…」
呼び掛けようとしたその時
塞ノ神さまとロウが
ぴくりと、同時に何かに反応した
「…何か、入ってきたな」
「うん。なんだろう
悪いものではないけど、なんか変な気配」
「真っ直ぐこっちに向かって来てるね」
庵の外に出て
竹林の方をじっと見据える塞ノ神さま
一緒についてきたロウと私も
そちらに視線を向ける
「…」
さくさくさく、と
微かに聞こえた笹の葉を踏みつける足音
それが段々と近付いてくる
迷うことなく真っ直ぐと
こちらにやってくる人影が確認できた
獣の姿に戻ったロウが
庇うように私と塞ノ神さまの前に立つ
「はじめまして」
落ち着いた静かな声
「あなたが…
この地の守り神、道祖神様ですか?」
警戒するロウに向かって頭を下げて
それからロウの後ろの塞ノ神さまに語りかける
20代くらいの和服姿の若い男の人