みやとロウ。
湖の水は透明度が高い

水中で泳ぐ魚や、そこを住み処にしてる不思議な生き物達の姿が
外からでもはっきり見える


「…みやを呼んだ?」


そんな湖のほとりに
淡く光る藻で作られた鳥の巣

そこにちょこんと鎮座していた雪月花の鳥

問いかければ
『?』と言わんばかりに小さく首を傾げた

その傍らで、最近生まれたばかりの雛も
同じように小首を傾げてる



「…」



周りを見渡す

問いかけに応えが返ってくる様子はない



……気のせいだったのかな?


でも、確かに呼ばれた

助けて、って言ってた



「…」



…。


……戻ろう


少し悩んで
くるりと踵(きびす)を返した瞬間


頭上からふわりとおりてきた『それ』に目を丸くする



たんぽぽの綿毛のような


最近は見慣れたその生き物


でも、いつも見かけるものとは少し違った



「……白い……曲霊?」



カラーリングが違う

いつも見かける曲霊はくすんだ灰色なのに
今、目の前にいる『それ』は綺麗な白色
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