みやとロウ。
「そうです」


言いながら立ち上がり
しおりはポケットから取り出した札のようなものを魂喰らいに張り付けた


一際、大きな叫び声をあげ


魂喰らいは動かなくなった



「あらかじめ陣を張っていたので
術を行使するのにも時間がかからなくて
助かりました」


……詳しいことは分からないけど
とりあえず助かったのは確かなよう


『みや、大丈夫?』

「うん、大丈夫」


深く息をついてると
白い曲霊、【ふゆ】が傍にやってきて
心配そうに問いかけてくる


『――』


同じように傍にやってきた
灰色の曲霊、【いと】が何か語りかけてくる


『助けてくれてありがとう、って言ってる』



「この森に直霊がいるのは珍しいですね」

「…直霊?」

『ふゆのこと』

「……直霊って、曲霊と何が違うの?」


何回か塞ノ神さまやロウから
「直霊」と言う言葉は聞いたことがあったけど
詳しくは知らなかった


「直霊は己を「省みる」事の出来る魂の事です」

「…かえりみる?」
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