みやとロウ。
*6*
……夢を、視た
小さな集落にたくさんの子供達がいて
その子供達が笑顔で向かう先にはロウの姿があった
今と変わらず
面倒見のいいロウはたくさんの子供達に慕われていた
中でもひとりの女の子はロウにべったりで
四六時中、ロウの傍にいた
ロウが大好きで
ロウもその子の事を大事に思っていて
でも
『……あなたは、だぁれ?』
なんの前触れもなく
突然にその子はロウの事を忘れてしまった
大好きなひとと過ごした大切な時間を
一番、大事なひとの記憶をなくしてしまった
その後も、記憶が戻ることはなく
結局、その子はそのまま病気で亡くなってしまって
だけど
失くしたものの大きさを
心にぽっかり空いたその穴の大きさを
思い出がなくなってしまった
悲しさや寂しさを
その子は死ぬまで
死んでからも忘れられなくて
どうしても、取り戻したくて
大切なひとと過ごした時間の記憶を
そんな未練が、執着が
その子の魂をここに引き留めた
『絶対思い出すから』
『だから…そんな顔、しないで』
『……狼炎』
小さな集落にたくさんの子供達がいて
その子供達が笑顔で向かう先にはロウの姿があった
今と変わらず
面倒見のいいロウはたくさんの子供達に慕われていた
中でもひとりの女の子はロウにべったりで
四六時中、ロウの傍にいた
ロウが大好きで
ロウもその子の事を大事に思っていて
でも
『……あなたは、だぁれ?』
なんの前触れもなく
突然にその子はロウの事を忘れてしまった
大好きなひとと過ごした大切な時間を
一番、大事なひとの記憶をなくしてしまった
その後も、記憶が戻ることはなく
結局、その子はそのまま病気で亡くなってしまって
だけど
失くしたものの大きさを
心にぽっかり空いたその穴の大きさを
思い出がなくなってしまった
悲しさや寂しさを
その子は死ぬまで
死んでからも忘れられなくて
どうしても、取り戻したくて
大切なひとと過ごした時間の記憶を
そんな未練が、執着が
その子の魂をここに引き留めた
『絶対思い出すから』
『だから…そんな顔、しないで』
『……狼炎』