みやとロウ。
ぐっと両手に力を入れて
もう一度、立ち上がろうとするも


……全然、力、入らない…



………それに、なんだか………すごく眠い




「霊力の使いすぎか」


いと達に触れた後の、あの時の感覚に似てる

一気に押し寄せてくる眠気

体を起こしていられない
ふらふらと、体が傾く

そんな私をロウが支えてくれた


……さっきまで、なんともなかったのに


…………だめ……眠い……


まぶたが重い
意識が遠のきそうになる


「………。今日はここで休め
塞ノ神に頼んでおく」


じっと私を見下ろして
少し悩む素振りを見せた後
ロウはそう言って、私を抱え上げた


「………い、の……?」

「そんな状態で帰れないだろうが」


正論

ロウの胸にもたれ掛かって、目を閉じる


「……ごめ、……ね…」


最後に、なんとかそれだけ伝えて
私はそのまま意識を手放した
< 86 / 162 >

この作品をシェア

pagetop