みやとロウ。
思い出さなくていいって、きみは言う

私が無事ならそれでいいって、きみは言う


でも


なんでだろう



きみが私の居ないところで時々
悲しそうにしてるのを見るとね


何も覚えてないのに
きみが優しくしてくれる度にね


胸がぎゅって、締め付けられて
苦しくて、痛くて
無性に泣きたくなるの



きみの事を

きみと過ごした時間を思い出したい




ううん、思い出す



きっと、思い出すから



どれだけ時間がかかっても、思い出すから




だから




『だから、狼炎も――』
< 88 / 162 >

この作品をシェア

pagetop