最後にもう一度愛を...
「里絵はこの家が嫌で、高校を卒業してすぐに家を出ていってしまった。それからこの家には帰ってきていないしずっと行方知らずだった。此方も探すことはしなかったけれど、いざ探す時になったら苦労したよ。里絵は生きているとばかり思っていたからね…まさか亡くなってたとは…」
なんで今になって…
お母さんを探そうとしたの……
「半年前のことだがね。父…君の祖父が亡くなったんだ。遺産の関係もあるから、里絵を探そうと思った。それでやっと見つけたと思ったら里絵は亡くなっていた。だが、それと同時に君がいることを知ったんだ。君の育った環境を見て早く助けてやらなくてはいけないと思ったんだがね。
助けることはできなかった。申し訳ない」
この人は助けることができなかったって、
そう言った
でも……
私にはそうは思えなかった
この人は助ける気なんて全くなかった
複雑な環境で生活してた私は
人の顔色と目を伺って生きてきた
だから嘘だって気づいてしまった……