最後にもう一度愛を...


「貴方は私を助ける気なんてなかったでしょう?なのに何故今になって私が必要になったんですか?」



自嘲気味に笑った私の叔父



「ふふっ、助ける気はあったんだよ。ちゃんとね。さて、なんで今になって君が必要になったかだな。それは僕に子供がいないからだ。会長だった父が死んだ今、次の後継者を必要としている。私の次を継ぐものが居ないだろう?
優秀なやつがいてね、どうしても城山の血を引く人間と一緒になってもらいたいんだ。
城山の血を引く跡取りを産んでもらうためにね。」



この人は自分とこの会社のことしか頭にない



自分と会社のためならなんでもする人




そんな気がした



結局私はただの“道具”に過ぎなかったんだね




ここでは城山食品の跡取りを産む“駒”でしかない


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