最後にもう一度愛を...
余裕のある話し方でそういう望月さんになんだが無性に腹が立った
「今日初めて会う人の子供を作りたいと思いますか?もうこれ以上道具として生きるのは嫌ですよ!」
こんなこと望月さんに言っても意味ないのに、気づいたら叫んでいた
「道具……か。そうだね。僕もそう思うよ。里紗さん、君はここから逃げる気は無い?」
え……?
にわかには信じられない提案を受けてなんて言ったらいいのかわからなかった
「信じられないかもしれないけど、僕は君の味方だよ」
味方……?
それに……
と望月さんは続ける
「僕にはね、大切な人がいるんだ。心の底から大切な人が。この話を進めるわけにはいかない」
大切な……人……
どこか思い出すような表情でそう語った