最後にもう一度愛を...
「でも…、ならなんで言ってくれなかったんですか!?」
『それは…「藤咲さん、私から話します」』
紅さんの言葉を遮ってそういったのは今崎さんだった
「里紗ちゃん、無事でよかったわ
本当に...」
涙をこらえた声でそう言った今崎さんに胸が締め付けられた
「里紗ちゃん...里絵は私の姉なの
里絵は家が嫌いだった、城山という家が嫌いだったの。
でもね、それは私も一緒だったの。
里絵はね、高校を卒業してすぐ家を出て行ったわ。
私も後を追うように高校を卒業して家を出て行った。
でも、里絵がどこにいるかはわからなかった」