最後にもう一度愛を...
沈黙の後
「紅...お前やっちまったな。まじで誘拐だぞ。」
なんて、あいさんが深刻そうな声でそんなことを言うから今度は私が大慌てだ。
「あの...若頭さんを...藤咲組を知らないのはダメでした?」
私は不安で不安で焦りながら聞いた。
『俺の名前は紅だ、紅って呼べ。藤咲組をまさか知らないとは思わなかった。』
まさかな...なんて笑っていた。
『なぁ?本当のことを知っても平気か?怖がらねぇか?』
なんて真剣な声で紅さんが聞いてくるから
「どんな話か分からないけど...怖いのは慣れてますから、平気です。」
って答えれば
ニコってしてくれたけど
悲しげな顔をされた。