最後にもう一度愛を...



紅さんの唾をのむ音が聞こえた気がした



「紅さん、知らないなんて嘘はつかないでください。私はずっと貴方の隣に居たいです。1年前、本当はそう言いたかった...でも言えなかった...でも...もう自分の気持ちに嘘をつきたくないんです」





『俺は...俺はお前の幸せを願っている。だから俺と一緒に居てはダメなんだ。お前は表の、明るい世界で幸せに暮らせ、わかったらさっさと帰れ』





そういい紅さんは踵を返す





「待って」





私は走って紅さんに抱きついた



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