最後にもう一度愛を...

『俺も驚いた。この俺が女に優しくするなんてな』


そうだ、誰よりも俺が一番驚いている

男女の行為においても、俺は女に優しくなんてなかった

俺にとって女はヤるための道具でしかなかった


「お前が車に女を乗せるなんてな...しかも下の名前呼ばせるなんて今までのお前なら考えられないことだ。それに初めてだろ?マンションへのお・も・ち・か・え・り・♡」



にやにやしながら言ってくる

全くこいつは...


『あぁ。でも、そういうことをするために連れて帰る訳じゃねぇ。』

まぁ、いずれはなるだろうが


本当に俺自身、一目惚れするとは思わなかった


俺には、女達の暗黙の了解事項が3つある

1.“車に乗せて”“マンション”は禁句

2. 名前を呼んだら殺される

そして、
3. 男女の行為はしても“キス”はしない


そのうちの2つを里紗には許している

どうしても女に名前を呼ばれるのは嫌だった

虫唾が走るようで

ゾッとする

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