最後にもう一度愛を...
だが、里紗には名前で呼ばれたかった
里紗に紅さんと呼ばれるたびに胸が熱くなるのを感じた
若だなんて他人行儀に呼ばれたくなかったんだ
あー。俺、重症じゃねぇか?
「なぁ?マンションに連れてってどうするんだ?まさか...」
『ん。住ませるつもりだ』
当たり前のように言えば
ミラー越しに見えた藍は驚いたように目を見開いてる
『事情を聞いたら帰そうとは思っているが、帰したくねえ...』
『まあ、どうやら一筋縄ではいかなそうだがな』
里紗は何か闇を抱えているのは確かだ
帰る家がないとは言っていたが...
まぁ、どうであれ勝手に俺の家に置いておくことはできねぇよな
親に了承貰わねぇとな