メリーバッドエンド
「な、何これ!?」

前、ここに監禁されていた時にベッドにベッドガードはつけられていなかった。多分、私を縛り付けるためにベッドガードをつけたんだと思う。

「んっ!」

大人しく縛られていたら何をされるかわからない。とりあえず縄を解こうともがいてみる。しかし、硬く縛られた縄はギシギシと音を立てるだけで解ける気配はない。

「痛ッ!」

縄で擦れてしまったのか、手首に鈍い痛みが走る。チラリと手首を見れば、擦り傷から少し血が滲んでしまっていた。

もがけばもがくほど手首にできた傷が広がっていく。少し疲れてしまい、私はもがくのをやめて荒れてしまった呼吸を整える。

「逃げなきゃ……!逃げないと……!」

縄は解けないんじゃ、とネガティブに考えてしまう。しかし前向きな言葉を口にし、必死に自分で自分を鼓舞した。

逃げないといけない。自由になりたい。そのために一度脱出したんだ。一度できたんだからもう一度逃げられるはず。私は大きく息を吸い、もう一度もがき始めた。
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