メリーバッドエンド
(まあ、もう一度監禁し始めた頃に比べたら若菜、変わったから大丈夫だと思うけど……)

タクシーを降り、家のリビングに灯りがついているのを見るとホッとする。鍵穴に鍵を差し込んでドアを開け、「ただいま」と言えばリビングの方から「おかえりなさい!」と聞こえてくる。

愛しい人からの「おかえり」という言葉は、疲労し切った体に染み込んで元気を生み出してくれる。

靴を脱いでリビングに行けば、「圭くん!」という言葉と共に足枷の鎖をジャラジャラと音を立て、若菜が抱き付いてくる。若菜がしっかり俺を抱き締めてくれることが嬉しくて、俺は若菜を抱き締め返して頭にキスを落とす。

「若菜、顔上げて?」

俺がそう言うと、若菜はゆっくりと顔を上げる。その顔にもう俺に対する恐怖や嫌悪感は一切ない。恥ずかしそうに頬を赤く染め、煌めく瞳で俺を見ている。うわ、キスだけで止められるかな……。

俺と若菜の唇がゆっくりと重なる。若菜とのキスは、一度すると止められなくなってしまう。若菜があまりにも可愛いから何度もしちゃう。
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