メリーバッドエンド
運命の人〜圭side〜
これは三ヶ月前のこと。俺、紫水圭はため息を吐きたくなるのを堪えて控え室でスマホをいじっていた。その様子を見て、事務所の後輩で同じ俳優の風下陵(かざしりょう)が、「圭さ〜ん、顔が怖いですよ?」とからかうように言ってきた。
俺と陵は同じドラマに出演しているという理由で、これから一緒に握手会をする予定だ。とは言っても、これは俺の意思じゃなくて事務所の社長が勝手に決めたこと。芸能人の仕事なんてこんなものだ。自分のしたくないことだって笑ってしなくちゃならない。
「自分のファンに会えるんですよ?今日の握手会、倍率がめちゃくちゃ高くてチケットがなくなるのあっという間だったんです。それだけたくさんの人が楽しみにしてるんですよ」
だから頑張りましょう、と後輩に言われるなんて情けない。でもアイドルじゃないのに握手会なんてなぁ……。
「まあ、ファンの前ではちゃんとするよ。でもずっとニコニコするなんてさ、絶対疲れるなと思って」
俺と陵は同じドラマに出演しているという理由で、これから一緒に握手会をする予定だ。とは言っても、これは俺の意思じゃなくて事務所の社長が勝手に決めたこと。芸能人の仕事なんてこんなものだ。自分のしたくないことだって笑ってしなくちゃならない。
「自分のファンに会えるんですよ?今日の握手会、倍率がめちゃくちゃ高くてチケットがなくなるのあっという間だったんです。それだけたくさんの人が楽しみにしてるんですよ」
だから頑張りましょう、と後輩に言われるなんて情けない。でもアイドルじゃないのに握手会なんてなぁ……。
「まあ、ファンの前ではちゃんとするよ。でもずっとニコニコするなんてさ、絶対疲れるなと思って」