メリーバッドエンド
「はい、ここが俺の寝室だよ。いつか若菜と一緒に寝たいと思っていたから嬉しいな」

圭さんはそう言い、柔らかいダブルベッドの上に私を降ろした。寝室にはパソコンや本が置かれている。本は中身が英語で書かれているものらしく、タイトルすら読めない。

「若菜、横になって」

圭さんに言われ、私はゆっくりとベッドに横になる。すると圭さんはどこから取り出したのか手錠を私の左手首にはめた。

「一応、ね」

手錠の鎖はベッドにつながっている。でもベッドから出て少しは歩けそうだ。圭さんが寝たらこの部屋をこっそり探そう。

「圭くん」

圭さんが私の隣に寝たのを見て、私はそっと圭さんの頭を撫でる。とにかく圭さんには早く寝てもらわないと!

「撫でてくれるの?嬉しいな」

幸せそうに圭さんは微笑む。もっと違う出会い方をして恋に落ちていたら素敵なカップルになれていたのかな?

「圭くん、お仕事頑張っているから……」

「若菜を幸せにするためだからね。あっ、もうすぐ増えるか」
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