もしも世界が終わるなら
「ただ支えてもらうばかりだった。そんな好意を受け取るだけの都合のいい関係、許されるわけないのにね。夢にも思わなかった。千生と同時期に、宗一郎さんの赤ちゃんを身籠っている女性がいただなんて」
ああ、それがしいちゃんだ。全ての謎がスッキリと繋がったのに、気持ち的にスッキリとはいかない。悲しい負の連鎖は、どうして起きてしまうのだろう。
「ずっと宗一郎さんから離れなければと思っていた矢先、その子につらい事件が起きて」
全てが繋がって、私はどれだけ自分が周りに守られていたのだろうと自責の念に駆られる。それを知りもしないで、綺麗な思い出として心の支えにさえしていた。
優しい父に可愛がられ、仲のいい親友と笑い合う。その頃に戻りたいと何度も思っていた。誰かの涙の上に成り立っていた幸せだったというのに。