今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「あんた、この医者のことを完全に信じ切っているでしょう。遊ばれないように気をつけなさい。コイツ絶っっっ対、必要以上にモテるわよ」

「すごくよくわかってます」

「白雪には荷が重いって言いたいけど……相手がお医者さまだったら、あんたんとこのご両親は納得してくれるかしらね」

う、と私は言葉に詰まる。うちの両親が見栄だけのむちゃくちゃな見合いを提案してきたことを、ついメールで愚痴ってしまったのだ。

「結婚なんてまだピンとこなくて。今は仕事が楽しいです。まぁ、子どもはかわいいって思いますけどね」

腕の中にいる菜々ちゃんを眺めながら言う。

私に抱かれ安心して寝息を立てている赤ちゃん。とってもかわいくて、無防備で、守ってあげたい気持ちが湧き上がってくる。

「私だって、仕事が楽しいって思ってたわよ。妊娠するまで」

「……でも、変わったんですか?」
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