今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
翌朝、私は日が昇る前にタクシーに乗って自宅へ帰った。シャワーを浴びて着替えを済ませ、定時ギリギリに出社する。

それからの一カ月間、彼とは一度も会わなかった。お互いまとまった時間が取れなかったのだ。

メッセージのやり取りだけはぽつぽつと交わしたけれど、お付き合いや結婚について具体的な話がでることはなかった。

もしかしたら、お互い待っていたのかもしれない。賭けの結果がはっきりする日を。

それから一カ月、妊娠が発覚した。

報告すると、すぐさま日時を指定され、見合いの席に連れていかれた。

彼から『愛している』というような言葉は、まだ一度も聞いていない。



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