今夜、妊娠したら結婚します～エリート外科医は懐妊婚を所望する～
産婦人科でエコーの画像を見せてもらったら、そこにははっきりと赤ちゃんの全身が写っていて、胸の奥がじんわりと熱くなった。

「経過は順調ですよ。赤ちゃんはきちんと成長しているし、お母さんの体のほうも問題なさそうね」

そう言って優しい笑顔をくれたのは、私よりひと回りくらい年上の女医さん。

悠生さんが紹介してくれた先生だ。腕も確かだし、なにより患者さんに親身になってくれるから、私のことも安心して任せられると言っていた。

「今朝、西園寺先生によろしくと言われたのよ。手が空いたら顔を見せると言っていたけれど……どうやら忙しいみたいね」

なるべく私の検診に付き添ってくれる彼。けれど今日はどうしても抜けられない病棟カンファレンスがあるらしくて、顔を出せるか微妙だと私も聞いていた。

「この写真を見せれば満足してくれると思いますから」

「私のほうからも、順調ですって伝えておくわね」

検診を終えた私は外来を出た。彼にメールをしてみたら、ちょうどカンファレンスが終わって少しだけ時間が取れるとのこと、外来で待っていてと指示された。
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